リンパ腫の解説

どんな病気?

リンパ腫は、血液中のリンパ球が「正常な機能を持たないまま」「過剰に増殖するようになってしまった」病気であり、血液の悪性腫瘍(がん)です。リンパ節、胸腺、脾臓、扁桃などのリンパ系組織で発生することが多いですが、脳、肺、皮膚などのリンパ外臓器(節外臓器)に発生することもあります。
発生した部位が腫れて、熱が続いたり、体重減少を来します。また、病変の腫大によって、気道や血管、神経などが圧迫されることで、呼吸症状(時に窒息)、血流障害、麻痺などを認めたり、胸水、心嚢水、腹水の貯留を伴うこともあります。これらの症状は急速に出現増悪し、病院を救急受診するきっかけになることも多く、命に関わる状態になることもあります。

どんな症状が出るの?

小児のリンパ腫は、病型と病期(病気の広がり)によって治療方法が大きく異なります。このため、病気が疑われたら生検に病理診断と各種画像診断や髄液検査・骨髄検査による病期診断が非常に重要となります。
ホジキンリンパ腫では、病期や巨大病変の有無によって層別化し、リスクに応じて薬を使った治療(=化学療法)と病変部位への放射線治療を組み合わせて行います。
バーキットリンパ腫と、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫は、病期や骨髄・中枢神経病変の有無などによって層別化し、リスクに応じて化学療法を行います。近年は、成熟B細胞の表面に共通して存在するCD20を標的として攻撃する分子標的薬(リツキシマブなど)の併用も確立されつつあります。

リンパ芽球性リンパ腫は、急性リンパ性白血病に準じた治療を行います。外来維持療法も含めて2年以上の治療になることが特徴的です。未分化大細胞型リンパ腫は、皮膚限局型か全身型か、中枢神経病変の有無など、リスク因子によって層別化して、化学療法を(場合によっては放射線治療も併用して)行います。
各病型の病期毎の治療について、詳しくは担当医にご確認ください。

治療によってどんな合併症がでるの?

リンパ腫の治療に用いる薬剤で生じうる主な副作用は以下の通りです。

ステロイド剤

高血圧、糖尿病、感染症、消化性潰瘍、気分変調、骨粗鬆症、緑内障など

抗がん剤

骨髄抑制、播種性血管内凝固、出血、血栓症、吐き気・嘔吐、下痢、口内炎、脱毛、発熱、感染症、発疹、結膜炎、薬に対するアレルギー、心臓・肝臓・腎臓・膵臓などの障害、神経系障害(けいれん、神経麻痺など)、二次がんなど

副作用に対してはできるだけ予防する対策を行います。実際に起こった場合は、速やかに適切な対処を行います。例えば、感染症に対しては抗生物質などを用いて予防や治療を行います。骨髄抑制にともなう赤血球・血小板の減少に対しては赤血球や血小板の輸血等を行います。抗がん剤による吐き気・嘔吐には制吐剤を投与します。これらを「支持療法」といい、リンパ腫の治療を安全に行うための重要な部分です。
副作用の多くは、一時的なもので治療が終われば回復します。また、副作用の多くの場合は適切な対応により重症化を防ぐことができます。しかし、重篤な副作用をきたす可能性もあり、なんらかの症状を後遺症として残してしまうことや、命にかかわることもあります。また、内分泌障害や不妊、二次がんなどは、治療が終わった後に何年もたってから発生してくることがあります。

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