リンパ腫は、血液中のリンパ球が「正常な機能を持たないまま」「過剰に増殖するようになってしまった」病気であり、血液の悪性腫瘍(がん)です。リンパ節、胸腺、脾臓、扁桃などのリンパ系組織で発生することが多いですが、脳、肺、皮膚などのリンパ外臓器(節外臓器)に発生することもあります。
リンパ腫は、血液中のリンパ球が「正常な機能を持たないまま」「過剰に増殖するようになってしまった」病気であり、血液の悪性腫瘍(がん)です。リンパ節、胸腺、脾臓、扁桃などのリンパ系組織で発生することが多いですが、脳、肺、皮膚などのリンパ外臓器(節外臓器)に発生することもあります。
発生した部位が腫れて、熱が続いたり、体重減少を来します。また、病変の腫大によって、気道や血管、神経などが圧迫されることで、呼吸症状(時に窒息)、血流障害、麻痺などを認めたり、胸水、心嚢水、腹水の貯留を伴うこともあります。これらの症状は急速に出現増悪し、病院を救急受診するきっかけになることも多く、命に関わる状態になることもあります。
リンパ腫はホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分かれますが、さらに、病理組織所見によって病型が細かく分類されます。大きくは、ホジキンリンパ腫(古典的ホジキンリンパ腫、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫)、成熟B細胞由来の成熟B細胞性リンパ腫(バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、前駆BまたはT細胞由来のリンパ芽球性リンパ腫、成熟TまたはNK細胞由来の未分化大細胞型リンパ腫の4つの病型群に分かれます。これらの病型により治療方法は異なり、リンパ腫委員会ではすべての病型に対してより良い治療を開発することを目標としています。
2019年に委員長に就任してから5年が経過いたしました。この場をお借りしてご挨拶申し上げます。
当委員会は、2003年にJCCGの前身となる日本小児白血病/リンパ腫研究グループ(Japanese Pediatric Leukemia/Lymphoma Study Group, JPLSG)設立時に誕生しました。本邦初の全国規模の小児血液腫瘍の臨床研究グループであるJPLSGにおいて、初めて実施された「03研究」と呼ばれる5つの臨床研究のうち、実に3つがリンパ腫に対するものでした。リンパ腫委員会では、小児において主要な病型であるホジキンリンパ腫、成熟B細胞性リンパ腫(バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)、リンパ芽球性リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫に対しては前方視的研究(患者さんに個別の同意を得、あらたにデータを収集して行う研究)を、その他の稀な病型に対しては後方視的研究(既に行った診療を振り返って調査・解析していく研究)を主に実施しております。前方視的研究については設立から現在までの20年余りの間に11研究を実施してきました。小児のリンパ腫は比較的予後の良い疾患ではありますが、さらなる成績の向上と治療の副作用の軽減を目指しこれからも研究を重ねてまいりたいと考えております。
国立病院機構名古屋医療センター小児科
関水匡大
2023年12月 | サンディエゴで行われた第65回米国血液学会にてLLB―NHL03試験の結果を発表しました。 |
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2023年10月 | 東京で行われた第85回日本血液学会学術集会でB―NHL−14試験の結果を発表しました。 |
2023年9月 | Haematologica誌に「Prognostic value of minimal disseminated disease assessed using digital PCR for 3' ALK assays in pediatric anaplastic lymphoma kinase-positive anaplastic large cell lymphoma」が掲載されました。 |
2023年9月 | 札幌で行われた第65回小児血液・がん学会学術集会でLLB―NHL03試験とB―NHL−14試験の結果を発表しました。 |
2023年5月 | Pediatric Blood & Cancer誌に「Non-germinal center B-cell subtype of pediatric diffuse large B-cell lymphoma in Japan: A retrospective cohort study」が掲載されました。 |