血液腫瘍:急性骨髄性白血病(AML)

急性骨髄性白血病(AML)について

白血病は、血液中の白血球が「正常な機能を持たないまま」「過剰に増殖するようになってしまった」病気であり、血液の悪性腫瘍(がん)です。白血病細胞は自然になくなることはありませんので、治療をしないと下記の症状が進行し、命にかかわります。
急性骨髄性白血病(AML)は、白血病のうち、骨髄芽球(白血球のうち好中球などの骨髄系細胞に分化する未熟な細胞)に異常がおこり、がん化した病気です。

急性骨髄性白血病(AML)委員会とは

急性骨髄性白血病の治療と研究を行っています。対象疾患として、ダウン症に合併した骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、その他の3群に分けて、初期治療のプロトコールを作成して取り組んでいます。寛解導入不能や再発した難治例に対して、よりよい標準治療を確立すべく研究も行っています。これらの臨床と研究により、日本の急性骨髄性白血病のこども達のさらなる治療成績の向上を目標に努力をしています。

委員長挨拶

宮崎大学医学部小児科の盛武 浩と申します。
急性骨髄性白血病のページへご訪問いただき、誠に有難うございます。
急性骨髄性白血病の治療成績は確実に向上して参りましたが、同じ白血病である急性リンパ性白血病と比較するとまだまだ改善の余地が大きい疾患です。
効果的な抗がん剤が少ない、急性リンパ性白血病で確立した免疫療法のターゲットが存在しない、などの問題が浮かび上がってきます。
委員会委員一同、臨床では限られた薬剤をうまく活用しながらプロトコルを作成し、研究ではなんとか創薬につながる思いを込めて邁進しております。
私がなぜ小児がん、そして急性骨髄性白血病の委員をしているかについて紹介させて頂こうと思います。いとこが小児白血病で亡くなったこと、小学校時代の同級生が高校生になって骨肉腫で亡くなった経験から小児科医、特に小児血液・腫瘍分野に興味を抱く端緒となりました。実際に小児科医になって、もう30年前の話になりますが、研修医1年目に3人の小児がん患者、乳児神経芽腫、リンパ腫、そして急性骨髄性白血病のこども達を受け持ちました。幸い、乳児神経芽腫、リンパ腫のこども達は初回治療で完治しました。一方、急性骨髄性白血病のこどもは寛解を得た後、骨髄移植を受けるために福岡に転院しましたが、残念ながら宮崎に戻ってきて欲しいという願いは叶いませんでした。なんとか救ってあげたかった、という思いが非常に強く残りました。
これらの貴重な経験をとおして医学部進学、小児科医そして血液・がん専門医、さらに急性骨髄性白血病委員への道に進みました。 これからも微力ながら少しでも貢献できるように努力して参りたいと思います。


宮崎大学医学部小児科
盛武浩

委員一覧

血液腫瘍分科会委員一覧

臨床研究

治療開発マップ

活動報告

[論文]
AML-12 : Tomizawa, et al. High-dose cytarabine induction therapy and flow cytometric measurable residual disease monitoring for children with acute myeloid leukemia. Leukemia 2023, online ahead of print. doi.org/10.1038/s41375-023-02075-9
AML-05関連 : Kaburagi, Shiba, Yamato, et al. UBTF-internal tandem duplication as a novel poor prognostic factor in pediatric acute myeloid leukemia. Genes Chromosomes Cancer 2023;62(4):202-209.
AML-05関連 : Hara Y, Shiba N, Yoshida K, et al. TP53 and RB1 alterations characterize poor prognostic subgroups in pediatric acute myeloid leukemia. Genes Chromosomes Cancer 2023;62(7):412-422.
AML-05関連 : Mark, Tomizawa, et al. Treatment outcomes of childhood PICALM::MLLT10 acute leukaemias. Br J Haematol 2023, online ahead of print.
AML-05関連 : van Weelderman, Tomizawa, et al. Measurable Residual Disease and Fusion Partner Independently Predict Survival and Relapse Risk in Childhood KMT2A-Rearranged Acute Myeloid Leukemia: A Study by the International Berlin-Frankfurt-Münster Study Group. J Clin Oncol 2023;41(16):2963-2974.
AML-05関連 : Hammer, Taki, Tomizawa, et al. Hypodiploidy has unfavorable impact on survival in pediatric acute myeloid leukemia: an I-BFM Study Group collaboration. Blood Adv 2023;7(6):1045-1055.
AML-05関連 : Aoki, Shiba, Tsujimoto, et al. High IL2RA/CD25 expression is a prognostic stem cell biomarker for pediatric acute myeloid leukemia without a core-binding factor. Pediatr Blood Cancer 2023, online ahead of print. doi.org/10.1002/pbc.30803
ML-DS関連 : Raghuram, Hasegawa, Nakashima, et al. Survival outcomes of children with relapsed or refractory myeloid leukemia associated with Down syndrome. Blood Adv 2023;7(21):6532-6539.
[学会]
2023年12月 米国血液学会@サンディエゴ
AML-12関連 : Tsujimoto, Kato et al: Integrated Analysis of KIT Exon 17 Mutations and Flow-MRD Refines Risk Stratification in Pediatric Acute Myeloid Leukemia with RUNX1::RUNX1T1.
AML-P05関連 : Ishikita, Yamato et al: Integrated Analysis Focusing on Genome-Wide DNA Methylation in Pediatric Acute Promyelocytic Leukemia: The Jccg Study, JPLSG AML-P05.
AML-05関連 : Ikeda, et al: Metabolic Reprogramming By PRDM16 Drives Cytarabine Resistance in Acute Myeloid Leukemia.
2023年10月 第65回日本小児血液・がん学会@札幌
ML-DS関連 : 長谷川大輔ら. Down症候群合併骨髄性白血病の予後因子:JCCG AML-D05/D11合同解析
AML-P05関連 : 石北悦子ら. 小児前骨髄性白血病に対する下のメーウィでDNAメチル化解析 -The JCCG study, JPLSG AML P05-
ML-05関連 : 青木孝浩ら. トランスポーター遺伝子の一塩基多型は本邦小児急性骨髄性白血病の予後を予測しうる
2023年4月 第126回日本小児科学会学術集会@東京
AML-05関連 : 吉富, 他: 小児AMLにおいてPRDM16遺伝子の切断がPRDM16高発現を誘導し、再発難治に関与する

リンク集

【疾患・治療の情報(国内)】
国立がん研究センター「がん情報サービス」
国立がん研究センター「小児白血病」
国立成育医療研究センター
キャンサーネットジャパン「小児がん情報ステーション」
【疾患・治療の情報(海外)】
がん情報サイト-PDQ®日本語版
Cure search日本版
海外がん情報リファレンス 小児がん
【移植に関する情報】
日本骨髄バンク
造血幹細胞移植情報サービス
一般社団法人 日本造血細胞移植データセンター
【患者会情報】
がんの子どもを守る会
小児がん患者会ネットワーク
【保険・助成制度に関する情報】
小児慢性特定疾病情報センター
ハートリンク共済
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